その電話、ちょっと待って ― 特殊詐欺から身を守る5つの対策

先日、家族のLINEグループに妹から少し慌てた様子のメッセージが届きました。「さっき警察から電話があって、私の名義の携帯が茨城県で不正利用されているって…。迷惑メールが100件以上送られており、携帯停止の措置がとられたとのこと。2時間以内に福岡県警で事情聴取を受けないと、私の名義の携帯が全部使えなくなるって言われて…」突然のことに戸惑いながらも、妹は“特別措置”として1時間、電話で事情聴取を受けたそうです。その中で、家族構成や年齢、職業などを細かく聞かれたとのこと。とりあえず仮措置で携帯は使えるようになったそうですが、最後に「みなさんも個人情報の漏洩には気をつけてください」と締めくくられていました。

他の兄弟からすぐに「それ詐欺じゃない?」「茨城で不正使用されたのを福岡県警が対応っておかしくない?」「テレビで似たような詐欺やってたよ」とつぎつぎとツッコミがはいり、しばらくして妹から、「ごめん、詐欺だった。今から本当の警察が来る」とメッセージが。なんと妹は、1時間も偽の“警察”と電話し、個人情報を根掘り葉掘り話したうえに、本物の警察の事情聴取を受ける羽目に…。その日、妹は完全に気力・体力を奪われ、「今日は何も手につかない」とぐったりしていました。

そんな騒動から数日後、今度は我が家の息子にも。ネットで注文した服が届かない…とぼやいていたその矢先、息子のスマホに「クロネコヤマト」から再配達の案内メールが届きました。内容は、「番地不明のため荷物を返送しました。300円の再配送料をカード決済してください」というもの。タイミングがあまりにもぴったりだったせいか、息子は何の疑いもなくメールのリンクをタップ。それらしいデザインの“ヤマトっぽい”サイトが表示され、指示通りにカード情報を入力したところで、画面が固まりフリーズ。直後にスマホに届いたのは30万円の決済通知でした。幸い、カードには利用上限が10万円に設定されていたため、決済は通らずに済みましたが、本人は真っ青。あとになってメールの差出人をよく確認すると「kuronekoyameto」。それを見て息子は、ショックを隠せない様子でひと言。「完全にやられた……」

昨年度の特殊詐欺による被害総額は、年間720億円を超えたそうです。これは前の年の1.5倍以上というペース。SNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺などを含めると、その金額はなんと2000億円近くにのぼり、1日あたり5億円以上が騙し取られている計算になります。でも、金額の大きさ以上に怖いのは、「自分は大丈夫」と思い込んでしまうこと。「まさか自分が…」と思っていた人が、意外にも引っかかってしまう。これは詐欺被害の共通点だそうです。もはや、“運が良ければ大丈夫”という時代ではありません。だからこそ大切な5つの対策を紹介します。

①知らない番号からの電話には出ない。
非通知や国際電話、見慣れない番号は注意。心配であれば留守電にメッセージが残るようにしておきましょう。

②“お金の話”が出たらまず疑って。
「保険の還付金があります」「カードが不正利用されました」など、お金に関する急ぎの話は詐欺の王道です。

③本物らしさに騙されない。
警察、銀行等の名前が出ても一度切って、正規番号を調べてかけ直しましょう。個人情報は電話で話さない事。

④SMSや緊急メールのリンクは開かない。
今この手の詐欺は常套手段。正規のアプリや公式サイトから直接確認しましょう。

⑤家族で合言葉を決めておく。
オレオレ詐欺対策に、家族だけの思い出やペットの名前など合言葉を決めて確認できるようにしておく事。

とにかく少しでもおかしいなと思ったら、まず周りの家族や知人に相談しましょう。110番をかけるほどの緊急ではないことでも前に#9をつければ(#9110)警察への相談窓口につながります。ちょっとした違和感を、声にできる関係があること。それが、いちばんの安心かもしれません。パンといっしょに、そんな“安心のきっかけ”もお届けできたら…そんな思いを胸に今日もハンドルを握ります。