現役東大生の正答率33% ― 「母の日テスト」のお話

静まり返った教室。そこに集められたのは、38人の現役東大生たち。彼らの前には一枚のテスト用紙が配られています。問題数は――100問。制限時間は30分。

「それでは始めてください」試験官の声と同時に、一斉に用紙を裏返す音が教室に響きます。その瞬間、学生たちの顔に浮かんだのは、驚きと、思わず漏れる苦笑。しかし、問題を解き進めるうちに、その表情は次第に曇っていきます。「ん〜わからないな」「東大の試験より難しいかも」。そして、あっという間に時間が過ぎ、30分後。試験官が告げます。「この答案用紙は回収しません。各自で採点してください。後ほど、採点済みのものを回収します」

その結果は…現役東大生の正答率33%。さて、この試験。一体何の試験だったのでしょうか?その問題の答え合わせをするために、学生たちは母親に電話をかけ始めます。「ママ、好きな色って何色だっけ?」「好きなおでんの具って何?」「体重きいてもいい?だめ?」

そう、この試験は「母の日テスト」。お母さんについての100の質問に答えるテストだったのです。

「僕のことで、誇らしいと思っていることはなにかな」「私が言った言葉の中で一番嬉しかった言葉ってなに?」「お母さんは私にとってどんな母でありたいと思ってる?」一つひとつの質問に照れ笑いで返したり、少しだけ間を置いて優しく答えるお母さんの声。笑いながら、うっすらと涙ぐむ学生たち。そんなやりとりの中から、忘れていた様々な思い出が蘇ります。小さな頃、積み木で「ママ大好き」とつくった記憶。お弁当にいつも入っていた卵焼きの味。口には出せなかった「ありがとう」。

この試験は実際に2018年に行われた母の日テストの風景です。他にも試験の内容には、「あなたの母の親友の名前を書きなさい」「あなたの母は何をスマホの待ち受け画面にしているか書きなさい」「あなたの母の幼い頃の夢を書きなさい」など、改めて聞かれると、自分が思っている以上に母のことについて知らないことが多いと思わされる内容ばかり。心にずっしりと刺さります。

普段、当たり前のようにそこにいる存在。でも、ふと立ち止まってみると、口にしていない感謝がいくつもあることに気づきます。今年の母の日は、改めて母について知る日、そして感謝を伝える日にしてみませんか?またもしもう他界していたとしても、ひととき思いを馳せる時間が、今の自分にとって大切な時間になるかもしれません。

そんな気持ちをそっとのせて、いつもより少しだけ、やさしい香りのするパンをお届けできたらと思っています。「ありがとう」のことばが照れくさいときには、パンや焼き菓子がそっとあなたの気持ちを運んでくれるかもしれません。