お米のチカラ 〜ライスミルクのお話〜

やわらかな風に包まれ、新緑がいっそう鮮やかに感じられる季節となりました。田んぼには水が張られ、静かな水面が空を映し出しています。土と水が混ざり合うこの時期ならではの香りは、私たちの記憶のどこかに優しく触れてきます。古くから続く稲作の風景。お米は単なる主食にとどまらず、私たちの暮らしや文化の中に自然と息づいてきた存在なのだと、改めて感じます。

さて、ハローエレファンのパンにも、実はそんな日本人が大切にしてきたお米文化の要素が組みこまれています。それが玄米由来のライスミルク。ミルクとは言っても、牛乳でも豆乳でもなく、お米から作られたミルクです。欧米では、乳製品が苦手な方や健康志向の高まりを背景に、「オーツミルク」や「アーモンドミルク」といった植物性ミルクが広く親しまれています。最近では牛乳、豆乳に続く“第3のミルク”として注目され、日本でも少しずつ広がりを見せていますが、ライスミルクもそのような植物性ミルクの一種になります。

ライスミルク

「え、パンに牛乳じゃなくてお米?」と思われるかもしれませんが、これがなかなか奥深いのです。まず、乳アレルギーをお持ちの方でも食べていただけること。牛乳は即時型アレルギーの原因食品として上位に入ることが多く、これまで「パンはちょっと心配で…」とおっしゃっていたお子さんやご家族にも、安心して召し上がっていただけます。先日も、お子さんと公園帰りに販売の車をのぞいてくださったお客様が、「うちの子、牛乳にアレルギーがあって、パンはほとんどだめなんですよね」と言われるので、ライスミルクのことをお伝えしたら、喜んで買っていかれました。家族で同じものが食べられるって当たり前のことのようですが、素敵なことだと思います。

それだけではありません。ライスミルクには玄米由来のビタミンB群や、腸内環境を整える食物繊維、体のむくみを助けてくれるカリウムなど、体に嬉しい栄養素も多く含んでいます。なんと、抗酸化作用で注目の「セレン」という栄養素も含まれていて、その抗酸化力はビタミンEの60倍ともいわれています。微量栄養素は現代の食生活では不足しがちなので少しでも補えるのは嬉しいことです。

そして、ライスミルクならではの自然な甘さとコク。炊きたてのごはんをよく噛むと、だんだん甘く感じてきますよね。これは、お米のでんぷんが唾液の力でゆっくり分解され、やさしい甘みに変わるためです。ライスミルクの優しい甘さは、砂糖だけでは生み出せない、味の奥行きをパンにもたらしてくれます。お米が本来持っている甘みが、パンの中にそっと宿っている、そんなイメージです。「なんか、やさしい味だな」そう感じていただけたら、それがライスミルクのチカラかもしれません。

お米づくり

お米が田んぼで育ち、誰かの食卓へ届き、そして今度はパンの中に姿を変えて、また私たちのもとへ。食べ物はそういう長いつながりの中にあるものだなと、ふと思います。私たちが口にするものはすべて、誰かの手と時間と大地の力が重なってできています。その重なりに気づけたとき、一口のパンがいつもより少し、豊かに感じられる気がします。みなさんの食卓がいつも笑顔でありますように。