
長かった残暑がやっと和らぎ、待ち侘びていた秋らしい風が吹き始めました。
だんだんと陽が短くなり、季節の移り変わりを教えてくれます。
早いもので気が付けば今年も残り3ヶ月。
1日1日を大切に過ごしていきたいものです。
さて、毎月配布しているこのニュースレター、
「ベンチタイム」という名前がついていますが、
今日はその名前の由来についてお伝えしていきたいと思います。
ベンチタイムとは、パンを作る時に必要な一つの工程です。
美味しいパンが焼きあがるまでにはいくつかのステップがあります。
①捏ね:まずは生地作り。必要な材料を合わせ捏ね上げていきます。
②1次発酵:生地を一定の温度と湿度を維持してあげなから発酵、膨らませていきます。
③分割:必要な大きさに生地を分け丸めます。
④ベンチタイム:生地を10~15分程休ませます。
⑤成形:具材を入れたり形を作っていきます。
⑥二次発酵:焼く前の最終発酵。1.5倍~2倍位の大きさに膨らみます。
⑦焼成:絶妙なタイミングでパン焼き釜に入れて焼き上げていきます。
この4番目の工程がベンチタイムです。
「ベンチ」とは作業台の事。
作業台の上で生地を休ませていたことから、
ベンチタイムと呼ばれるようになったそうです。
このなんでもないような10分ほどの短い休憩時間が、
美味しいパンを作る為に、とっても大切な工程になります。

パンの生地はさわれば触るほど、締まっていき緊張していきます。
ベンチタイムをとる事で、分割し丸める事で縮まって緊張した生地に
緩みと膨らみと柔らかさを与え、次の成形の工程をとてもスムーズにしてくれます。
もし、急いでいるからといってベンチタイムを飛ばしてしまうと、
次の成形の工程でとても苦労する事になります。
生地を伸ばそうと思っても思うように伸びませんし、
無理やり伸ばそうとするとちぎれてしまいます。
あんこやクリームを入れようにも、生地が伸びないのできれいに包めません。
生地を休める「ベンチタイム」はパン作りにおいてとても大切な工程なのです。
このベンチタイム。必要なのはパンの生地だけではないと思うのです。
日々の生活の中では、ちょっとしたリラックスタイムが
私たちの心身に必要なベンチタイムかもしれません。
人間関係においては、時には相手との距離を置く期間が関係の緊張を休め、
新たなスタートを切る機会になるかもしれません。
そして人生という長いスパンで考えれば、
人生の大きな変化の前後に訪れるちょっとした空白期間が、
大切なベンチタイムになるかもしれません。
緊張状態を休めて、次に備える時間はとても重要です。
たとえわずかな時間であっても、その「ベンチタイム」を大切にする事で、
私達の人生がより豊かなものに変わって行くのではないでしょうか。
この月に一度のニュースレターが皆さんにとってのベンチタイムになる事を心から願っています。
〜ベンチタイム2023年10月号より〜
